S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>






































<< ニラの苗、見る?住宅地にイタドリ! | | 日本の肉用牛は、世界でも特異な方法で育てられる >>
霜降り肉にするために…盲目になる牛もいる
JUGEMテーマ:グルメ

 


日本人好みの高級「霜降り肉」になる育て方



肉牛の飼育実態についての記事

長野県の信濃毎日新聞に、一般にはほとんど知られることのない畜産動物の現実についての記事が掲載されました。

(地球生物会議ALIVE 野上代表提出書類より)


------------------------------

「霜降り肉」の牛 盲目になることも 味と飼い方 揺れる農家 
信濃毎日新聞 2011年6月11日(土)

その牛は、額の先で手を振っても反応がなかった。黒目は焦点が定まっていない。ほかの牛と体をぶつけることも多い。
「盲目の牛です」。ステーキなどの高級食材になる和牛を飼う県中部の50代の男性農家が打ち明けた。「おいしい肉にしようとすれば、こうした牛が出てしまう」と男性。
飼育中の約130頭のうち、1頭が完全に目が見えず、10頭弱は視力低下が進んでいる。こうした牛も人体への影響はまったくないとされ、普通に出荷される。

盲目になるのは、肉に「サシ」と呼ばれる白い脂肪分を入れようとして、牛の栄養が偏ってしまうことが原因だ。和牛の価格は、サシの入り具合で決まる。多くの農家の目標は、高値で取引される細かなサシが入った「霜降り」の牛を育てることだ。
そのため、農家は生後約1年半から数カ月間、ビタミンを多く含む牧草などの餌を抑え、穀物が中心の飼料で太らせる。これがサシを入れるために欠かせない技術とされる。「霜降り」という日本の食文化を支える生産者の知恵だ。
しかし、ビタミンは、視力維持に必要な成分。欠乏がひどくなると盲目になりやすい。足の関節が腫れて歩行に障害が出る場合もある。農家は症状が出ないぎりぎりのラインを模索しながら給餌する。しかし、一部がこうした牛になる危険性は残る。微妙なバランスの上に和牛生産は成り立っている―。そう表現する農家は多い。

和牛を百数十頭飼育する県北部の40代の男性農家は「消費者が生産現場の現状を知れば、肉を買ってくれるか分からない」と不安を打ち明ける。
この30年間、和牛を出荷する時、牛の背中に"お神酒"を掛けて送り出してきた。自分が生計を立てられることへの「感謝」。そして、高く売るために不健康な姿にさせる「申し訳なさ」。そうした複雑な感情を、牛を出荷するたびに確かめる。
この男性は、食肉処理など多くの中間業者が流通に加わる畜産は「農業の中でも生産者と消費者の距離が遠いと感じてきた」という。

それは、同じ畜産業の酪農でも同じだ。上伊那郡南箕輪村の酪農家、小坂忠弘さん(55)は、畜舎見学に来た小学生が、乳牛から乳を搾る現場を見て以来、牛乳を飲めなくなった、という話を数年前に酪農仲間から聞いて、頭から離れなくなった。
思い当たることがあった。国内では、広い牧草地を確保しづらく、多くの時間は乳牛を畜舎内で飼育するのが一般的だ。しかし、小坂さんは「多くの人が広い牧草地だけで乳牛を飼っていると思っているかもしれない」。畜舎も小学生の予想以上に汚れていたのかも・・・。
さまざまな考えが頭を巡った。小坂さんは、畜舎の清掃を小まめにして、「恥ずかしくない飼い方」を心掛けている。
消費者が思い描く畜産のイメージと現実のギャップ。そこに農家はおびえている。

信大農学部(上伊那郡南箕輪村)の准教授竹田謙一さん(39)=家畜管理学=が2年前に一般消費者300人余を対象に行ったアンケートでは、「飼い方に配慮された畜産物は値段が高くても買いたい」と答えた人が9割近くを占めた。
竹田さんは「消費者のニーズは農産物そのものにあるだけでなく、その出来上がる過程にもある。消費者のイメージに畜産現場を近づける必要がある」と話す。
畜舎の環境などは生産者が少しずつ改善することは可能だ。しかし、和牛を飼育する農家の多くは「牛が盲目になってしまうのは、『消費者が求める最高級の霜降り』を目指すためには仕方がないこと」とも言う。消費者が望むのは、味なのか、価格なのか、生産過程なのか―。すべてを満たすことができない場合は、何を優先すればいいのか。生産者には、消費者の姿が、はっきり見えていない。

信濃毎日新聞社編集局「農再生へ−自由化時代」


***************************

生後30ヶ月を過ぎた牛を飼うのは初めてだと、畜産農家の人は言う。肉牛は、たった2〜3年しか生きられない。
肉牛は出荷直前、「人間ならメタボな高齢者のような身体にまで太らせる」と言う。牛たちは、自らの体重をささえるのが、やっと、である。

反芻動物である牛に穀物を与え、ほとんど運動させず、ビールを飲ませて牛をメタボリックな状態にする。筋肉に脂肪が交雑する(脂肪交雑=サシ)。この脂肪は、ビタミン配合飼料のために黄色っぽい色がついている。これを白っぽいサシにする(色を抜く)ために、出荷の4ヶ月ほど前からは、ワラを食べさせたりビタミンを含む配合飼料を減らす。そのため、ビタミンA欠乏で脚がむくんだり倒れやすくなり、失明の危険もある。これが、「和牛の仕上げ方」である。




和牛を飼育する農家の多くが、「牛が盲目になってしまうのは、『消費者が求める最高級の霜降り』を目指すためには仕方がないこと」と言います。畜産ZOO鑑には、「ちょっと太めがチャームポイント」として、肉用牛の身体特徴を「全身にお肉がつきやすくなっていて、多少ずんぐりしたような外見、ふっくらとした体型」としています。

チャームポイントって。


動物を貪り食べるということは、動物たちを監禁・牢獄状態にして、虐待的に育てるということにつながります。ブロイラー鶏ならぬ、ブロイラー牛といってもいい状態。短い一生の中で、できるだけ死なないように生かしつつ最大限太らせています。

ブロイラーも、フォアグラも、子牛肉(ヴィール)も、その生産方法を知ると、驚愕します。でも、今では、方法に違いはあっても、豚、鶏、乳牛、ヒツジ、ヤギも、そして魚も、集約的生産の弊害を最大限に受けて育てられているといえます。

農家がおびえているという、「消費者が思い描く畜産のイメージと現実のギャップ」。まずはそれを知ることが大切です。

 

 

工場畜産*畜産動物の扱い | ねこまる | 18:14 |
スポンサーサイト
- | スポンサードリンク | 18:14 |